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ポルトガル語とフランス語の関係は?-兄弟言語のロマンス諸語

ポルトガル語とフランス語の両方に興味があるときに気になるのがポルトガル語とフランス語の関係性。

この記事では、葡語と仏語の関係性についてご紹介します。

 

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ポルトガル語とフランス語の関係は?-兄弟言語のロマンス諸語

ポルトガル語とフランス語は似ているとよく聞きますが、その関係性は「兄弟言語」です。

兄弟言語というのは、もともとの言語が同じ言語をもとに派生した言語という意味で、ポルトガル語とフランス語はラテン語の方言として話されていたのが出発点です。

言わば、ラテン語を親にもつ兄弟という関係性で、ラテン語の派生語を総じてロマンス諸語と呼びます。

 

ロマンス諸語とは

ロマンス諸語というのは、「ラテン語」という、ローマ帝国時代に使用されていた言語を親に持つ言葉たちのことです。所謂ラテン系の言語。

例えば、ポルトガル語とフランス語。ポルトガル語とフランス語は、どちらも親がラテン語ですので、一言で言うと兄弟姉妹の関係です。

ポルトガル語とフランス語には他にも兄弟がいます。

代表的な兄弟はスペイン語、イタリア語、そしてルーマニア語です(他にも、カタルーニャ語・ガリシア語等の小さな兄弟もいます)。

それぞれ、地理的には別の地域で話される言語で、その国・地域の歴史的背景や周りの地域で使用されている言葉との関係によって、単語、文法、発音などが大きく変化しています。

そして、これらのラテン語から生まれた兄弟たちをひっくるめて「ロマンス諸語」と呼びます。

 

ポルトガル語とフランス語の違い

兄弟言語のポルトガル語とフランス語は似ているところが多いため、一つの言語を学ぶことでもう一つの言語も習得しやすくなります。

では、似ている似ているといっても、どのくらい似ているのでしょうか。例えば、津軽弁と宮崎弁くらいの違いなのか、若しくは日本語と韓国語くらいの違いなのか。はたまた大阪弁と神奈川弁くらいの違いなのか…

ポルトガル語とフランス語を比べてみると、その似ている度合いは、現代日本語と、古文の日本語くらいの感じです。

古文を読んだとき、なんとなく分かるけど、なんかわかんない。そんな感じの似ている具合です。ポルトガル語を知っている場合に、勉強しないとフランス語はわからないのですが、勉強すればすぐに分かるようになります。

ちなみに、津軽弁と宮崎弁の関係に近いのが、ブラジルのポルトガル語とポルトガルのポルトガル語の違いです。ポルトガル語はさまざまな国で話されているため、国が違っても通じますが、それぞれのポルトガル語が大きく異なっています。

ブラジル国内のポルトガル語の差は大阪弁と神奈川弁くらいの違いです。例えば、ブラジルのサンパウロのポルトガル語とブラジリアのポルトガル語くらいの差というイメージです。

 

ポルトガル語とフランス語の共通点の例

ポルトガル語とフランス語は似ているため同時に学びやすい言語なのですが、似ているというのはどういうことなのでしょうか。

ここからは両言語の類似点を少しだけご紹介します。

 

名詞に性がある

どちらの言語も名詞に性があり、名詞の性に合わせて冠詞(英語で言うaやthe)や形容詞の性も変更します。

ポルトガル語:男性-o pássaro branco(白い鳥)、女性-a casa branca(白い家)

フランス語:男性-le oiseau blanc(白い鳥)、女性-la maison blanche(白い家)

同じ単語でもポルトガル語とフランス語で性が異なることもあります。

木:ポルトガル語-a arvore(女性)、フランス語:le arbre(男性)

 

語順-葡語は自由、フランス語は一定

語順はポルトガル語は比較的自由、フランス語はしっかりと定められているため、先にポルトガル語を勉強するとフランス語の不自由さに驚いてしまいます。

例えば、「私は日本語で話します」という文を見てみると、ポルトガル語はEu(私)を何処に配置するのかを自由に決めることができますが、フランス語は必ず主語の前となります。

ポルトガル語:Eu falo japones. Falo eu japones

フランス語:Je parle japonais. 

英語も必ず I(私)は最初に来ますし省略もできないため、フランス語と似ています。

英語:I speak Japanese.

 

主語ごとに動詞を活用

動詞を主語にあわせて変化させる(活用する)という点もポルトガル語とフランス語に共通するルールです。

 

現在形の活用

例えば、英語は現在で動詞を活用させるのは三単現のsだけですが、ポルトガル語とフランス語は主語ごとに動詞が変わります。

英語:I run. You run. He/She runs. We run. You run. They run

葡語(ポ):Eu corro. Tu corres. Ele corre. Nos corremos. Vos correis. Eles correm

葡語(ブ):Eucorro. Voce corre. Ele corre. Nos corremos. Voces correm. Eles correm

仏語:Je cours. Tu cours. Il court. Nous courons. Vous courez. Ils courent

※ブラジルポルトガル語ではTuがVoceに、VosがVocesに変わり、活用はEl、Elesと同じ

 

活用の時制

活用の時制は英語で言う現在形、過去形、現在完了形などのこと。

フランス語はポルトガル語に比べて実際に使用されている時制が少ないという特徴があります。

ポルトガル語にはフランス語には無い「接続法未来系」という形があり、接続法を多用するため、その点でフランス語よりも難しいです。

 

ポルトガル語 独学勉強法

最後にポルトガル語のおすすめ勉強法をご紹介します。

ポルトガル語は、発音が日本語に似ており、日本人にとって学びやすい言語です。また、例外の少ない規則正しい文法も特徴。

文法面では英語やフランス語よりも複雑な部分があり、覚える量も多いので、文法でポルトガル語を躓いてしまう場合も多いですが、一度覚えたら応用しやすいため、コツコツ勉強したことを会話に生かすことができるという点で学びやすい言語と言えます。

勉強方法は下記の5つ。

・現在形の活用を覚える

・基礎文法を覚える

・語彙を増やす

・リスニングを練習

・自己紹介など会話の練習する

インプットとアウトプットをバランスよく練習していきましょう。

 

現在形の活用を覚える

まず、ポルトガル語の基礎であり一番重要な動詞の活用を覚えます。

動詞の活用は、直説法、接続法、命令形と別れており、直説法に現在、点過去、線過去、未来、過去未来などの形が、接続法に現在、過去などの形があるのですが、最初に必要なのは直説法現在形です。ですので、直説法現在形をしっかりと覚えましょう。

直説法現在形だけでもar動詞、er動詞、ir動詞の3つの基本的な規則動詞と様々な不規則動詞があるので、覚える量は中々多いです。

覚え方は、まず規則動詞の活用をしっかりと覚え、続いてよく使用される基本的な不規則動詞の活用を覚えます。

規則動詞の活用は1つの動詞をリズムで覚えます。

例えばar動詞はfalar(話す)で活用を覚えます。

「Eu falo、Voce fala、Nos falamos、Voces falam」のセットで時間があるときには常に活用を口に出してリズムを身につけます。

同様に、er動詞は「Comer(食べる)」、ir動詞は「Vivir」で活用を覚えます。

この3つをしっかり覚えれば、あとはこの活用を別の動詞に当てはめるだけで活用ができるようになります。まずはこの3つを覚えて、新しい動詞が出てくるたびに活用を何度も練習してみてください。

不規則動詞は、よく使う動詞を集中して覚えます。「Ser」、「Estar」、「Ir」、「Fazer」、「Venir」などはしっかりと覚えておきましょう。

 

基礎文法を覚える

ポルトガル語は活用を覚えれば、会話をすることができる言語です。ですので、まずは活用をしっかりと覚えることが大切。

そして活用が身についてきたら、基礎文法を勉強します。

形容詞と名詞の性数一致、疑問文の作り方、アクセント記号のつけ方、発音規則、冠詞、主語の省略、Ser動詞とEstar動詞の違いをしっかりと覚えます。

ポルトガル語の文法を勉強する参考書としては『ニューエクスプレスプラス ポルトガル語』がおすすめ。

非常に分かりやすく文法がまとめられており、各単元ごとに会話の本文があるので、文章の中で文法を理解できます。入門書としてはとてもおすすめ。

言語を始めるなら、どの言語においてもニューエクスプレスシリーズは大人気ですので、是非『ニューエクスプレスプラス ポルトガル語』を使って勉強してみてください。

 

語彙を増やす

動詞の活用と文法を勉強すると同時に語彙を増やしていきます。

文法書に掲載されている新出単語を覚えていくのが一番重要な単語の勉強方法です。

先ほどご紹介した『ニューエクスプレスプラス ポルトガル語』で出てくる単語をしっかりと覚えます。

ニューエクスプレスの単語を覚えたら、キクタンポルトガル語という単語帳で単語量を増やすのがおすすめ。

私も学生時代に使っていたのですが、このキクタンをしっかりと勉強すれば、ポルトガル語での日常会話や少し難しい会話も問題なくできるようになるくらい、必要な単語が網羅されています。

単語量を増やしたいという場合にはぜひキクタンを試してみてください。

 

リスニングの練習

リスニングはまずはポルトガル語に慣れることが大切。

まずは文法書としてご紹介した、『ニューエクスプレスプラス ポルトガル語』のCDを聞きながら、毎日音読するのがおすすめです。

音読をすると、口を動かすため、頭に音が残りやすく、CDを聞くことでポルトガル語の音やリズムに慣れることができます。

慣れてきたら聞いた音を文字に起こす「ディクテーション」や聞いたことを何も見ずに発音する「シャドーイング」をして、ポルトガル語を細かく聞く練習をするのがおすすめです。

 

自己紹介など会話の練習をする

ポルトガル語の独学では、読む、書く、聞く、話すの4技能を同時に学んでいくのがおすすめ。

まずはポルトガル語で自己紹介ができるように、名前の言い方、好きなものの言い方、勉強しているものなどをポルトガル語で言えるように作文をし、繰り返し練習しましょう。

また、オンライン語学教室などでポルトガル語会話をするのも練習に最適。

最近ではオンライン英会話教室がリーズナブルな価格で質の高いオンラインのレッスンを用意しており、オンライン教室を利用することで、ポルトガル語会話の練習を効果的に行うことが可能です。

中でもポルトガル語を勉強したいと思ったときにはDMMなどのオンライン教室がおすすめ。

フリー会話だけでなく、文法や読解などのコツ、リスニングの練習など、目的に合ったレッスンをして頂くことができます。

どちらも無料体験レッスンが可能ですので、是非一度無料体験レッスンを試してみてください。

 

※DMMポルトガル語レッスンの紹介はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

ポルトガル語のおすすめ参考書

ここまでポルトガル語と似ている言語についてご紹介しました。

ポルトガル語を勉強したい場合におすすめなのが、ポルトガル語会話と簡単な文法解説のついた参考書、文法書、単語帳の3つの参考書をそろえること。

ポルトガル語の勉強では、「文法を覚え、単語を覚え、音を聞き、発話する」という4つのステップを繰り返すことが大切です。

文法や会話のリスニング練習でおすすめな教材は、『ニューエクスプレス』シリーズ。そして単語の学習は『キクタン』、文法書は『総合ブラジル・ポルトガル語文法』です。

 

※ニューエクスプレス プラス ポルトガル語

 

※ポルトガル語 おすすめ参考書はこちら

porugomichi.hatenablog.com

 

オンラインポルトガル語

ポルトガル語上達には、一人で勉強やポルトガル語の練習をした上で実際にポルトガル語話者と会話練習することが欠かせません。ネイティブが話す言葉を理解し、即座に返答するという練習を繰り返し行います。

現在はオンライン語学教室などが多く存在していますので、ポルトガル語会話の練習には最適。

質の高いオンラインレッスンが多く、オンライン教室を利用することで、家にいながらポルトガル語をしっかりと練習できます。

 

※おすすめオンラインポルトガル語はこちら

porugomichi.hatenablog.com

 

終わりに

この記事では、ポルトガル語とフランス語の関係についてご紹介しました。

ポルトガル語は発音面でとっつきやすく、一度文法を覚えると例外も少ないので、会話練習などもしやすい言語です。

動詞の活用などを沢山覚えるのは大変ですが、本国ポルトガルのみならずブラジルなど様々な地域で使用される言語で、覚えた分だけ使う機会も多くあるので、是非ポルトガル語を学んでみてください。

 

※3か国語話すための練習方法はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

 

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